幻想 −馴れ合い−
□怒りの矛先
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かちんと固まってしまった私をソファに腰掛けながら、嘲る様に上目使いに見上げて、ひろみさんがくすりと笑う。
「もう・・・いいかな?」
「え?」
「テルってさ。ほんと詰めが甘いよね。」
「あっあの・・・?」
「別に・・・。怒ってないよ。」
「え?」
「だから、本当は別に怒ってないから。」
そう言って。
いつもの優しい笑顔を浮かべてくれた。
本当に、数週間ぶりに見るひろみさんの純粋な笑顔に、思わず、ラグにへたり込んでしまう。
「実はさ。2週間くらい前かな?いきなり呼び出されてさ。」
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