幻想 −馴れ合い−

□怒りの矛先
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ひろみさんの笑顔が凍りついたのがわかった。


今さっきまでの、魅惑的な笑顔から一変して。


氷のように冷たい冷酷な笑顔になって。


軽く口角を上げて。


私の襟を掴んだかと思うと、ぐいっと力を入れて自分のほうに引き寄せる。


そして、耳元に口を寄せてきてそっと囁く。





「テル。浮気するのは勝手だけれど、私の耳に入らないようにしなよ。」


「・・・え?」


「私、そこまで寛容じゃないから。」


「え・・・?ひろみさん・・?」





そのまま、ひろみさんは、にやりと心悪い微笑みを私に向けて。


そのまま私の襟を離して、ソファに腰掛ける。


私といえば、意味がわからず、呆然と立ち尽くしてしまう。


浮気?


私が?


何?


どういうこと?


頭の中が真っ白になる。





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