幻想 −馴れ合い−
□怒りの矛先
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どうして、そんな冷酷な声で話しかけるくせに。
魅惑的な笑顔と、仕草で私を翻弄するんだろう。
「ひろみさん・・・・・。」
私が名前しか呼ばないことが面白いのか、くすくす笑う。
その笑顔が、本当に魅惑的で。
いままでの私に向けてくれていた笑顔と一緒で。
錯覚してしまう。
この数週間がなかったような気になってしまう。
今なら聞いてみてもいいんだろうか。
それともやっぱり地雷を踏むことになるんだろうか。
でも。
もう、我慢できない。
「ひろみさん・・・。どうして・・・。」
「ん?」
「どうして・・・・。連絡・・・くれなかったんですか・・?」
その瞬間。
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