夢想 −偲び合い−
□小悪魔なきみに恋をする 7題
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休憩室で同期と馬鹿話で盛り上がっていると、かわいらしい笑顔を振りまきながらひろみさんたちが入ってきた。
ひろみさんは、ラギさんの腕に抱きつきながら、何かを耳元で囁いたようで、それを聞いたラギさんが爆笑している。
横にいる、シナさんが、「私にも教えてよ〜!」と大きな声で叫んでいる。
本当に、上級生なのに、可愛らしい人たちだ。
微笑ましく見つめていると、ふと隣の怪しい気配に目線を送る。
さっきまで、馬鹿話で盛り上がっていたきたろう。
きたろうも同じ方向に目線を送りながら、微笑んでいる。
「きたろう・・。顔にやけてるよ。」
思わず注意してしまうくらいニヤニヤしてる。
「だって。りか〜見てよ。ひろみさんたちとってもかわいらしいじゃない。」
目線は、ひろみさんたちから外さず、いや、外せないんだろう。
あまりにも可愛らしすぎて。
ふと、きたろうの表情に変化が出来る。
不思議に思い目線を再びひろみさんたちに戻すと、ひろみさんがラギさんたちと別れてこちらに向かってきているところだった。
「ヅック〜ン♪のど渇いた〜。」
にっこりと笑いながら私の横にストンと腰掛ける。
二人でいる私たちの、あえてきたろうに声をかけながら、でも、私の横に腰掛ける。
そういうことを無意識にしてしまうところがひろみさんのひどいところ。
ほら、きたろうは、にやっとにやけながら、仕方ないですね〜なんて言って、飲み物を買いに席を立つ。
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