Tears of the moon
闇は月に話し掛けた。
「君はもうすぐ消えてしまう。寂しくはないのかい?」
月は表情を変えず言葉を返した。
「寂しくは無い。これが俺の運命だから。新月になればまた別の月がお前を照らす。問題は無いだろう?」
闇は質問を繰り返した。
「寂しくは無いのかい??」
「…無いさ。」
闇はその言葉に月の孤独を見た。
闇は月を夢の魔法で包み込む。
そっと、そっと。
少しでも月が寂しく無い様に。
消え行く最後のその瞬間まで。
君という存在を忘れはしない。
だから君は独りじゃ無い。
「おやすみ。良い夢を・・・。」
消えゆく君に贈る
最後の言葉。
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