月の囁き
□Unrequited love 〜片思い〜
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何時から意識し始めたのか解らない。
『恋』の始まりとはそんな物なのかも知れない。
何時からか、貴方の存在が特別に思えて。
何時からか、貴方だけを目で追っていた。
気付いて??
私がこんなにも貴方を思っている事。
貴方を思っている、私が居る事を・・・。
「インパルス、発進どうぞ!!」
メイリンのオペレーションで模擬訓練が始まる。
「ルル、データー転送してる?」
「パターンBでしょ?完了済み。」
目の前の画面に3機のMSのシグナルと座標が示される。
この艦…ミネルバに所属するクルーは経験が浅い者が多い為、度々こうして模擬訓練を行っている。
「まもなくターゲット予定地です。」
メイリンのオペレーションに併せて各MS、各部署に的確なデーターを転送する。
それが私の仕事。
『シンは前から回り込め!ルナマリアは援護を!』
インカムから聞こえる貴方の声…。
『やたっ!撃破〜!!』
『良くやったな、シン。ルナマリアも良い援護だった。この感覚を忘れるなよ。・・・帰鑑する。』
プツッ。
通信は途絶え、ブリッジから緊張感が薄れる。
「みんなお疲れ様。それぞれ休める時に休息を取って頂戴。」
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