月の囁き
□Lover's Day
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瞬く色とりどりのネオン。
赤と緑のリボン。
至る所に掲げてある『merry Xmas』の文字。
サンタクロース。
寒さが体を震わせるこの季節。
暖炉の炎が恋しい、この季節。
「ジングルベ〜、ジングルベ〜、しゅ・ずーが〜な・るぅ〜」
「今日は楽しいクリスマス〜♪」
小さな小さな手を引いて。
此処、オーブの街並みを歩く。
「ねぇ、ママ。ライラにもサンタさん来るぅ??」
「ん〜、ライラがイイコにしてたら来てくれるかな??」
「ライラね、サンタさんにお願いしたの。ライラ、いい子にしてるから、サンタさん、きっと、お願い叶えてくれるよ??」
「何をお願いしたのかな??・・・ねぇ、ママだけに内緒で教えて??」
真剣に悩む、幼いブルーの瞳。
「・・・サンタさんとライラだけのヒミツなのっ!!」
クリン、と跳ねた、癖のある金髪。
「教えてよぉ〜。」
「ダメっ!!」
この頑固さ……彼譲り??
「寂しいなぁ〜・・・。」
抱えていた紙袋をもう一度しっかり抱きかかえて。
小さな手をキュッと握り返す。
今日はクリスマスイブ。
仕事場のモルゲンレーテの研究所も今日は休み。
オーブで迎えるクリスマスはもう何度目だろう……。
何度目……??
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