月の囁き

□月夜の出来事
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今日は9月14日。



日本という国では古来から十五夜という文字がカレンダーに記されている。


お月見、なんて風習もあるらしい。







宇宙(ソラ)育ちの私達には月なんて何時も近くにあって、当たり前の物で。



行こうと思えばMSで直ぐに行けるし、たいして特別な物じゃない。







でも私は月が好き。

闇に光を差すこの月が。






何時もそこにあって絶えず輝き続けるこの月が。










「きれー……。」



真夜中に部屋を抜け出してミネルバのデッキの扉を開けた。





目の前には真ん丸の月。

こっそり部屋を抜け出してミネルバのデッキの扉を開けた。






目の前には真ん丸の月。


宇宙(ソラ)で見るよりもはるかに其れは綺麗で。







私だけの物。




この景色も、満天の星空も。









海を渡るデッキに手を添えて。


過ごしやすくなった夜風に身を任せてみる。



冷えた海風が心地良い。










「ルル??」



急に名前を呼ばれてルルの体はピクンと緊張する。



こんな真夜中。

こんな場所に誰か居るなんて思いもしなかったから。








「ルル……だろう?」


「………レイ??」






ゆっくり近付いてくる影。




少しずつ、月明かりに照らされて


金色の長い髪がうっすら光る。










「どうした?こんな時間に。」


「それはコッチの台詞だよ??」








顔がハッキリした所で


笑顔が零れる。



















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