短編

□冷ややかな墓に手を沿えて
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「お早う御座います。今日は来るのが遅れちゃいましたね…実は昨日皆で角屋にいったんですよ」





目の前の彼は何も答えない





「それでね、酔った八っつあんと一さんが喧嘩始めちゃって大変だったんですよ〜」








しかし、彼は笑わない









「後、この前明里さんに会いました。少しずつだけど笑うようになりましたよ安心しましたか?」









彼の安堵した声は聞こえない












「俺、伊東先生に御陵衛士に来ないか?って誘われたんですけど、どうすれば良いですか?」













彼の表情はうかがえない















「なんだか最近の新撰組は騒がしいです…


静めてくれる貴方がいないから





ねぇ──…‥

















──山南さん…















俺はどうすれば…」









されども、墓の下の彼は口を開かない






















冷ややかな墓に手を沿えて


こうすれば逝った彼の微笑みを思い出す

「山南さん、どうして貴方は俺らに背を向けたんですか…?」











山南さん切腹後の藤堂さんの気持ちでした

藤堂さんが今一番書きやすい




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