短編

□16才が6才に見える瞬間
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楠小十郎、16歳

まだ幼さが残っているが、白い肌に整った顔

かなりの色男である


それに剣もそこそこ


俺からみれば立派な16才の青少年であった



というのが楠と俺が初めて会った時の第一印象



しかし、




「てめっ楠ィ!!」


「わ〜俊太郎が怒ったぁ」


「そら怒るわ!なんだこれは!!」



またやってくれた。


これで本日5回目の悪戯だ


俺の愛刀は鞘から抜かれ丸裸状態で畳に投げ出されており、まぁこれならいつもの悪行に比べると痒いものだが問題は鞘なのだ


鞘の中にはくず紙やらゴミやら雑草やらがみっちり入っていて刀を収めることが出来ない



「あはは、ごめんな?」


おどけながら楠は笑う

その表情といったらまるで子供みたいだ

全く、稽古中のあの凛々しい楠は何処に行ってしまったのか


思わずため息が漏れる


因みに本日のため息もこれで5回目だ


と、楠はその隙に逃げ出す


「あ、待て!」


「謝ったじゃん!!」



「あんなの謝罪に入るか!」


「え〜。」











16才が6才に見える瞬間









お題提供元:キャロット

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