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 休みも今日で終わりと言う頃、隣町の花火大会に出掛けるとか言って真っ昼間からバタバタと騒がしい実家に何てタイミングで帰ってきてしまったのかと頭を抱えたくなった。何故一人でも五月蠅い利央の他に、和己や高瀬(だったよな?) がいるんだが…。


「わーわー何で兄ちゃんがいんの?一緒に祭りにい、」
「くわけねえだろ、このタコ!パンツ一丁で玄関に来んな。」


 パンツ一丁で玄関まで迎えにきた利央の後ろの居間から顔を覗かせていた和己と高瀬が運動部特有のデケエ声で挨拶をしてきたが、こいつらには近所迷惑と言う言葉が分からないらしい。


俺に群がるタコ共を全部無視して居間にいたお袋に軽く二、三言言葉を交り合わせると、二階の自室へ赴き当初の目的である着替えをリュックの中に押し込み、また居間に戻りソファでくつろぐことにした。


「今日は美丞部活休みなんすか。」
「ラグビー部が試合だがで一日オフ。つか服着ろ。」

 俺の座るソファの背もたれに組んだ腕を乗せて話かけてきた和己も、先ほどの利央同様パンイツで、どうせ見るなら女の下着姿が見たいんだよと押しやると、お袋から着付けしてもらったらしい高瀬が和己を呼びにこっちに来た。


「ロカさんチーッス…!」
「おう。野郎3人で祭りとはえらいむさ苦しいな男前。」
「ぶはっ!ロカさんの口から男前なんて言葉が出るとは思いませんでしたよ。」


 可笑しそうに笑う高瀬は、確かに顔つきもよく体格も良い言わばモテるタイプ。自分のところのエース矢野同様学校の女子がほっとく筈が無いのだが、どうも女っ気が一切感じない限り利央が言っていたズボラ具合が見た目とのギャップを生んでいることが分かる。

 高瀬と軽く喋りながら、隣の和室で着つけられている和己を遠目に、先ほどまで騒いでいた利央の姿が無いことに気がつく。


「兄ちゃん、にいちゃん…!」



着物の下ってフンドシだっけ?え、スッポン!?



「お前何年日本にいんだよ…。」
「ぶはあっ!良いねえリオ、お前日本男児ならスッポンだろ?!」
「準太!?変なコトを利央に吹き込むな!」





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スッポン=真っ裸


09,08,31



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