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□Hallowe'en_01'
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がと殺を職業とする事以外名前や素性を知る者は居ない。近所の者が挨拶してもお辞儀くらいで話そうとしない。笑い掛けても愛想のひとつも浮かべない無愛想。そして時折斧を持って出掛けた晩には土を掘る音が聞こえるため男を気味悪がらない者は居なかった。

「動物に飽きたらず人も殺している」
「殺した人間は庭に埋めている」
「親兄弟の居ない浮浪者ばかり殺している」
全ては根も葉も無い噂だが火の無い所に煙は上がらない訳で子供達は男を見掛ける度に怖がった。

何をするのか分からない何かしているなら教えてくれ静寂に包まれた街でまた人が消えていくひたひたひたひた聞こえるのは土の音だけ次は誰だ独りになるな。

路地裏で唄うのは薄汚れた布を被った乞食。口には薄ら笑いを浮かべ歯は何本か抜け残った歯は黒く汚れていた。
乞食は懐からカビの付いたパンを千切って口に運んだ。しかし口に含まれる筈のパンは地面を転がり砂にまみれた。

「話を聞きたいのだが玄関を開けてくれないか?」
制服をきっちりと着込み制帽を眼深まで被った体付きの良い警察が男の家を訪ねた。
何時も警察署前でゴミを漁っていた乞食が今朝は見当たらず、其の者が肌身離さず纏っていた布が路地裏で落ちていたのが見つかった。たかが乞食と思いもするが忽然と消息を絶つ者が続出しているため流石の警察も動いた。

暫くすると玄関が開き日も真上に昇ろうと言う頃にも関わらず室内は暗くひんやりとしていた。警察が肌寒さに身を擦ると現れた男が一言。




kill or treat!




男の家の前に一台のパトカーが静かに戻らぬ主の帰りを待っていた。


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静かに始まるのは序章


08,11,10


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