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□Challenge!
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途中から投手陣は別れてピッチング練習。

今日も例外無く行われていたのだが、ある事が切っ掛けで早めに切り上げる事となった。



「あっ…」
「どうした準太ー」
「ロージン空っす」

ブルペンに行く前に、野球部倉庫からロージンを取りに行くと、そこにある筈のものは、箱に一つだけ残して無いに等しい状態だった。



「冷却スプレーも無かったよな?」
「最近練習と試合ばっかだったから買い出し行ってないんすね」

学校のある平日は、夜遅くまで練習。休日は、他校まで遠征して練習試合。

そんなヘトヘトの体で、50を越える部員ための備品を買い出ししに行くのは量もだが、重さもある物ばかりなので結構な重労働であった。



「準太は、この後時間あるか?」
「あ〜…、はい!(利央に何か言われてた気がするけどいいかな)」
「じゃあ、この後買い出しな。山ちゃん」
「な〜にー」
「外野陣で足りない物リストアップ」
「了解なりー」
「慎吾、は…」
「ウース」
「居たいた。内野陣で足りない物を」
「了解、と」
(はあ〜…指示出す時のあの俊敏さ、掌握力、…流石っす和さん!)

手際良く指示を出す河合の後ろ姿を、熱いまなざしで穴が開かんばかりに見つめていた。



「よし、投げ込みやっちまうぞ!」
「っす!1球目行きまーす」





2人でショッピング♪・・・って、お前とじゃなぁ・・・






「はあー…」
「何すか」

「…はあーー」

尊敬の念を抱く河合と、2人っきりになれる絶好のチャンスに、普段聞けない事を色々と聞こうと思っていた高瀬は、現在進行形で隣りを歩く相手をちらりと見ると何とも言えない気持ちになる。



「溜息ばっか吐かないでよ準さん。俺だって人なんだから傷付くよ?」
「知るか!このすっとこどっこいめが!」
「しょうがないじゃんか!和さんは監督に呼ばれて、」
「聞くか!現実を突き付けんなりおーのくせにチクショ―!!」






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