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□Challenge!
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 活に行く前に用を足そうと外に本山を待たせてトイレに入ると、入れ替わるように中から島崎が出てきたことに山ノ井は少なからず驚いた。トイレなのだから驚くことも無いのだが、出てきた島崎の格好がユニフォームだったこと。そして、口元に貼られた絆創膏に少なからず度肝を抜かれた。


「何で慎吾トイレで着替えてんの…。一年は体育館だろ?」
「あんな男臭い所で着替えられるかよ。」
「うわー…自分がちょっとモテるからって好い気になるなし〜。」


ははっ、と島崎は空笑いをすると先に行ってるぞと手を振り先に行ってしまった。


「山ちゃん…今慎吾とすれ違ったけど、」
「んー…。」
「若干背中庇ってる様に感じた。」
「やっぱ思う?…ちょい探りいれるかな〜。」


何を隠そうとしてるのかは何となく想像がつく。隠そうとする理由も分からなくはない。だけど、俺達に隠し事するのだけは許せない。必死に庇ってるつもりなんだろうけど、長年の付き合いで勘付かない俺たちじゃないことを分からせてやる。



自分に売られた喧嘩なのに親友マジギレ



「山ちゃん、本やん。ついさっき先輩が退部届出したって聞いたんだけど、まさかお前ら…。」
「そ〜なんだー。今年で最後の夏なのに、中途半端な時期に辞めるね〜。」
「ベンチにも入れなかった先輩だろ?早めに引退したんでしょ。」


ここ最近先輩からの呼び出しも無かったから、やっと諦めたのかと思った矢先に耳に入った退部の話。そろそろ俺も反撃に出ようと思った頃合いに、タイミング良く相手の方から手を引いたことはあまりにも不自然過ぎる。


「…はあ〜、散々堪えた俺の努力を返せ。やられ損じゃねえか。」
「ちょ〜と昔のネタをチラつかせただけなのにね〜。」
「もう少し楽しめると思ったんだけどね。」





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隠し事なんてぜってえ許さねえ


09,06,26


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