text

□Challenge!
32ページ/53ページ







 活が午後オフの素晴らしい日曜日。天気も晴天で絶好の昼寝日和だよね、と部活から帰宅した直後、買い物に付き合えと姉さんに連行され渋谷から原宿、新宿と連れまわされて少し疲れてきたころに見つけた小物屋さん。男だけなら入りにくくても、姉も一緒だからと入った先で見つけたチョコケーキ型のスイーツデコストラップに目が止まった。


(これ可愛い〜…。あ、あっちのシュークリームのも良いな。)
「圭輔。何、それ欲しいの?」
「う〜ん…。俺じゃなくて友達が、」
「え!何、女の子?!それなら買ってあげるわよ!女の子ならピンクのマカロンが良いんじゃないのかな〜?」
「え、や(女じゃなくて…、まあ、良いか)。」


圭輔も何だかんだで女の子にプレゼントする歳になったのね〜、と嬉しそうにレジへと商品を持っていく姉の後姿を見送り、店内をうろうろしていると女性店員に声を掛けられた。


「何かお探しですかー?先ほどの女性は彼女さんですかね?」


ペラペラと勝手に話し出す店員の対応の仕方が分からず、取り敢えずあー、へー、そうなんですかーと聞き流していると若干距離の近くなった店員の顔に戸惑い後ずさると、追うように店員もついてくる。


(ちょ、マジこいつどういう神経してんの?そろそろキれて、)
「圭輔!?」


名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、勢いよく後ろに腕を引かれバランスを崩した山ノ井はそのまま力の向う先へ流れるように倒れ込んだ。


「あれ〜?何でこんな所に祐史いんのー?」
「此処俺の行きつけの店なのよ。で、水野さん。この子うちの大切なセンターだからあんまり苛めてあげないで。…ね?」
「あら、祐史くん。その子お友達だったの?カッコいい子だったから絡んじゃったよ。」
「ほんとー面食いだよね、水野さん。まさか此処に山ちゃんが来るとは思わなかったよ。」


「あ、そうだ。姉さんさっきの買った?」
「ん。買ったよー!はい、誰にあげるのー。」
「ああ、これはね〜、」



どうしようもない阿呆だとお互いに認識



「え、…俺に?」
「そ。遅れましたが誕生日プレゼントです。ぶっちゃけ見つけたから買っただけなんだけどね〜。」
「サンキュー!じゃあ、これ。お返しって訳じゃないけど見つけたから山ちゃんにと思って。」
「お〜!広島限定キティちゃんだ〜カープだー!」
「これで球団は全部だったよねー!あとは全国?」
「東北、関東は制覇したから後は西日本攻めるかな〜。」





‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
互いに相手の事ばかり頭に浮かんでしまう


09,06,17


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ