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□Challenge!
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 当と飲み物を持って昼食を食べようと教卓前の席に座っている河合の所へ向かうと、未だに黒板に書かれた数式を解いているクラスメートにため息を漏らした。

「まだやってんのかよ。」
「ああ、悪いな。……うし、今日の課題分は終わった!よーしメシにするかー。」
「延長までしてよくやるよな。でも、あとで答え合わせしようぜ。」

河合は掛けていた眼鏡をケースに戻し、慎吾は数学得意だから時間内に終わるんだろ、と皮肉めいた事を零しながらエナメルバッグから昼食の弁当を取り出した。

「ちゃんと飯食わないと筋肉付かないぞ?」
「筋肉付きにくい体質なんですー食ったら付くキンニク和己くんとは違うんですー。つか、俺もともと小食だからこれ位が丁度好いんだよ。」
「キンニクっ…!?じゃ、じゃあもし慎吾が倒れた時は姫抱きで保健室まで運んでやるからな。恥ずかし目に遭え。」
「はあ?!ヤダし!和己に運ばれるくらいなら、俺はマウンドで死ぬ。」

そんなじゃれ合いで盛り上がっていると、クラスの者から呼び出された島崎は河合との話を中断し、そのまま廊下へと消えてしまった。



前世で悪い事をしたんだと思う。泥棒的な器用悪人。その結果が俺



廊下へと消えた島崎が戻ってきたのはそれからほんの数分後の事だったのだが、戻ってきた島崎の頬にはくっきりと紅い紅葉が彩られていた。

「また"慎吾は大切なものを盗んでいきました"をやったのか?」
「俺は悪くない。悪いのは可愛い彼女だ。」
「イタリア男じゃないんだから、その女性だったら誰彼構わず口説く性格どうにかしろよ。」
「あー…それは無理?だって俺ルパンの生まれ変わりみたいだから。」
「その反対の頬も差し出して来い。今すぐ。」





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いつか後ろから刺されても可笑しくない


09,04,16


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