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□Challenge!
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 吹雪が舞う長廊下を踵が踏みつぶされた上履きをぺたぺたと鳴らしながら軽快に歩いていると、風の悪戯で少し伸びた前髪が視界を遮る。
左手で前髪を抑えて視線を上げた先に、二階の窓から自分を見ていたであろう女子生徒と目が合った。

「(見たこと無いから一年か…。)こんにちは?」
「っ…!?」

目が合った生徒に軽く微笑みと一緒に挨拶を掛けると顔を真赤にし、校舎内に引込んでしまった。
しかし、引っ込んだ先で悲鳴に近い奇声を上げられ数名の甲高い声が聞こえた。

「罪深いことすんねー高瀬先輩〜。好意も無いのに笑顔振り向くなよ?」
「…本さん。別に挨拶しただけっすよ。」

後ろを振り向くと若干高めにある相手の顔を見上げると呆れたと言わんばかりに顔を歪まる本山が居た。見境無く愛を振り撒いちゃダメですよ〜、と高瀬は頭に手を置かれた。

「別に無意識っすからね〜…。まあ、別嬪な顔に産み落とした親のせい?」
「わーそんなに自信に満ちた顔で言われたら言い返す気力もなくなるわ。」

そんな馬鹿な話をしながら未だに止まない黄色い声を背中に受け、部室へと続く長廊下を歩く高瀬と本山であった。



ひっどいなーこの絵、我ながら酷いな。三回も言うけど酷いなコレ



「いつ見ても雅やん先輩の悟空は神だわ。」
「準太のベジータも違う意味で神の領域だな。」
「ぶっ…!?準太それ只のMハゲだわ!すげー傑作、写メっとけ!」
「記憶だけで書いてみたけどやっぱ酷いわ、これ。もはやどの辺がスーパーか分かんない有様?あ、でも悟空の顔マネはできますよ。クリリンのことかああああ!!」
「うわ、地味に似すぎてて逆にアウト。何その尋常でない眉間の皺の数。さっきの女子に見せてこい。ドン引き間違い無しのキモ顔。」
「ダメっすよ本さん。俺、校内ではイケメンで通ってんすから。」
「その顔を原型なくなるほど殴ってやろうか?このイケメン。」





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十八番はE.Tの顔マネ、高瀬準太


09,04,12


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