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□Challenge!
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14/「野球拳しようぜ、勝った奴は脱ぐ人ご指名できるルールにして」





まだ冬休みにも関わらず、運動部は始業式の三日前から部活が再始動するため一般の生徒より一足早く学校に登校する。
新年最初の部活動のため、あちらこちらから新年の挨拶が聞こえてきた。

此処、野球部グランドでも新年最初の挨拶を交わしていた。



「やってきました新年一発めの大イベントー!」
「無礼講上等!新年早々ポロリもあるよ大会〜」
「いや、おかしいでしょ」



冷静なツッコミを入れ、昨日の夜周ってきた野球部の連絡メールを確認する利央。
受信メールで前の者から明日の午前9時から部活始動、と写された画面と目の前の光景を交互に見る。

他の部員たちも急な展開に着いていけずにいた。
昨年最後の部活でも、監督から今日から部活を始めることを言っていたことをしっかりと覚えている全部員は困惑した。
何故引退した筈の3年生全員がグランドに集合していて、ホームにわざわざ朝礼台まで運んで来ているのか理解できないでいた。

朝礼台の上には、三流司会者のようなばかデカイ蝶ネクタイを身に付けた本山と山ノ井が駄菓子屋においてあるお菓子のマイク片手にどんどんと話を進めていた。



「っはい!てな訳でみなさんにお集りして頂いたわけですが」
「いや〜ついに始まりましたねー祐史さん」
「受験生が何やってだって話はとりま置いといて、まずはルール説明からね」



聞きたいことは山ほどあるなか、話を聞くと今から野球拳大会を開催することが分かった。
野球部全員強制参加で、司会の山ノ井とジャンケンし負けた者は脱ぐ。そして、司会者の気まぐれで発動される「俺様ルール」によって指名されたものは容赦なく一枚脱ぐと言う理不尽なルールも説明された。



「最後の一人まで生き残った人には何と!監督から温泉3名一組チケット授与ーいや〜太っ腹ですね監督」
「マル秘圭ちゃんメモによると〜本当は家族3人で行くはずだったけど、娘さんのご要望と言う名の反抗期によって無に解した幻のチケットだよ〜」
「いわく付きとか思った君ーもれなく監督の愛の鉄槌が下されるぞ❤」





野球拳しようぜ、勝った奴は脱ぐ人ご指名できるルールにして

「こんな寒空の下服脱いだら風邪ひくっつの!」
「はい、そこの鼻〜審判に暴言吐いたので問答無用で脱ぐー」
「おいおい慎吾ーまだスタートしてねえのに脱ぐって露出狂か?」
「たかが慎吾如きがレジェンド残そうとするなよ〜」
「…記録より記憶」
「毅彦うめーな!俺も此処はエースとして脱ぐべきかな?」
「準太…好奇心で集まってきた女生徒を卒倒させるようなマネは控えろ」
(雅やん先輩ツッコむ前に止めて下さい…)






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