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□Challenge!
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息を吐くと白く立上ぼる煙に冬の寒さを感じる師走時。秋をあまり感じる事もなく寒さにつれて人の格好も厚着になっていく。



学生たちは、校則に縛られ厚着にも限度がある中セーター、手袋、マフラー、コートなどを付けて行いくが、最終手段はYシャツの下にアンダーやセーターの重ね着、タイツ、ロングスパッツなど様々なもので防寒対策をして行く。


そんな中季節を感じさせないものがただ一つある。



「太股真っ赤ですねー」
「上半分は、糞って位着脹れしてるのにね〜」



ハハッ、と空笑いする全身完全防寒対策の男2人が仲良く登校中。長身の男本山祐史は、ネッグマフラーにパーカー、ニット帽、手袋と言う出で立ち。隣にいる相方山ノ井圭輔は、これでもかと言う位セーターを重ね着し、ロングマフラーを首にぐるぐると巻付けさながら太ったエリマキトガケ。

同学年は、流石に見慣れたもので普通に挨拶を交わして行くが、他学年は奇妙な生き物を見る様に極力近付かなかった。



「おれさー階段嫌いだわ」
「あっ、分かる。誰もお前の何か見るかよって感じ」
「だったら長くしろって常日頃から思いませんか?圭輔さん」
「まあ、見えたら見るけどね」
「それ男の性。でもさーそれでジャージ履いてた瞬間萎えない?」
「超萎えるね。期待させんなって殴り込みしに行きたくなる」



正門を潜り、下駄箱へと続く階段に行くと目の前でスカートの裾を抑えて歩く女子生徒が数名。周りに聞こえない様に囁き声で話す。



「夏場とかもさ〜胸元ガッツリ開けてたら見るよね」
「見ますとも。なのに見るなよって殴られたんだけどどゆこと?」
「それは裕史がガッツリ見過ぎ」
「だってA組のミスはヤバいよ」
「あれ寄せて上げてるだけ」
「マジかよ!うわ〜…凄い裏切られた」





俺らより彼女たちの方が強いんだろうなぁ・・・。いろんな意味でさ

「つか圭輔さんは何故ミスの胸事情をご存じで?」
「ん?あ〜…、偶々調理室から見えたプールの授業中のミスの水着姿を拝みまして」






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