薄桜鬼T

□小さな変化
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何かおかしい、いつもと違う。
千鶴が最近やたら鏡と睨めっこをしているところを見かける。
とくに何をするわけでもなく、じっと自分の顔を見つめてはため息をつき、また見つめてじゃため息をつく。

今日の朝もその繰り返しをしている千鶴を見かけて、その様子を見守っていたが5分経ってもやめる気配が全くない。


(ちょっと話しかけてみるか。)




「千鶴、何してんだ?」
「ひゃあ?!は、原田さん?!」
「お、おいおい・・・驚きすぎじゃねえか?」



千鶴は想像していた以上に驚き、大きな瞳を更に大きく開いた。
でもすぐにいつもの表情に戻り、やや俺を睨みながら(っつっても怖くない)いつから見てましたかと聞いてきた。



「5分くらいだな。」
「・・・結構長い間見てたんですね・・・。」
「あ、ああ。まあな。」



なんだ、俺見ちゃいけないものでも見たのか?
千鶴がただ鏡を見ているところを見ただけだよな・・・駄目だったのか?

千鶴を見てみると顔は真っ青になっていて、見られてはいけないものを俺が見てしまったことようだった。




「あの、今日のことは誰にも内緒で・・・。」
「・・・もう皆知ってるぞ。千鶴が毎日鏡と睨めっこしてるのは。」
「ええ?!ほ、本当ですか?」
「あぁ・・・。」


千鶴はどうしようと呟いて俯いた。
なにやら本当に見られてはいけないものらしい。



「・・・どうしたんだ?毎日鏡なんか見て。」
「・・・笑わないで聞いてくれますか?」
「あぁ、約束する。」
「実は・・・。」




そう言って千鶴は、前髪を少し上げて額の左のほうを指差して言った、吹出物が出来ちゃったんですと。




「女の子の格好できないんだからせめてお肌はと思って大切にしてたのに・・・うう・・・。」
「(そういうことか・・・女は髪と同じくらい肌も大切だしな・・・。)」
「大丈夫だ、そんなのすぐに治るって。それにそんなのあってもなくても千鶴は千鶴だよ。いつもの可愛い千鶴だ。」



「あ、ありがとうございます・・・っ。」




それにしても本当可愛いな・・・。
吹出物が一つ出来ただけでもそんなに慌てるなんて・・・。









End.
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