薄桜鬼T

□いちご牛乳
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薄桜学園の女子生徒の間ではいちご牛乳がブームになっているようです。
校内の購買でも売り切れ、自販でも売り切れ。
その日いちご牛乳を買えなかった女子生徒の落ち込みようはそれはそれはすごいものらしい。


と平助の耳にも情報が入ってきた。



「ふーん・・・でもなんでいちご牛乳なんだよ。」
「さあ。女子って本当わからん。」


不思議そうに尋ねる平助に友人も首を傾げた。

いちご牛乳ブームは本当に突然始まった。
なぜ始まったのか、なぜいちご牛乳なのか、と多くの謎を残したままでいる。


そんないちご牛乳の真相を確かめるべく、幼馴染の千鶴の下へと向かった。

千鶴は友人複数と裏庭で昼食をとっているところであった。
楽しそうに話している女子の中に割り込むのは正直申し訳ない気がしたが好奇心には勝てず平助は千鶴に話しかけた。



「千鶴、ちょっといいか?」
「あ、平助君!どうしたの?」


千鶴は首を傾げて平助の方を見た。
その仕草が可愛いなと思いつつ、今回のブームについて質問をぶつけた。


「千鶴、いちご牛乳のこと知らない?」
「・・・!」


あからさまに目を逸らし、額からは汗が流れ落ちている。
そしてその手には例のいちご牛乳が握られていた。


「いちご牛乳を持っているってことは・・・。」
「ううん、な、何も知らないよ?」


(おーい、嘘ついてんのバレバレだぞー。)
心の中でそう思いながらも真相を知りたくてたまらない平助は押してみる。


「千鶴・・・教えてくれるよな?俺達・・・幼馴染だし隠し事は良くないって。」
「・・・こればっかりは平助君にも教えられない。」


しかし千鶴の返事はNoばかり、一向にYesという気配がない。
これでは埒があかないと思った平助は別の人の下へ向かった。




「失礼しまーっす。」


一礼して中に入るとそこには、原田・・・ではなく鬼の先生、土方歳三がいた。
はずれくじを引いてしまったと嫌そうな顔をする平助に土方は鋭い視線をおくりつけた。


「なんだ、その嫌そうな顔は。」
「い、いやいや!土方先生しか残ってないのかってガッカリなんてしてないから!」


正直すぎる馬鹿、藤堂平助・・・死亡のお知らせ。


そんな冗談はさておき、原田がいないので仕方なく平助は土方に尋ねることにした。
教師であり女子に全く興味がない(千鶴は別)土方に聞いても真相が分かるとは思わないが・・・。


「最近女子の間でいちご牛乳がブームじゃん。土方さん知ってる?」
「あぁ?たしか、一週間いちご牛乳を飲むと恋が叶うとか叶わないとか言ってたな。」


意外と謎は簡単に解けた、それも意外な形で。
なぜ土方が知っていたのかという謎は出来てしまったがまあいいとしよう。

しかしいちご牛乳の持つ意味を知ってしまった今、千鶴に想い人がいることも発覚してしまった。


いてもたってもいられず、再び裏庭に行ってみるがもうそこにはおらず教室にも行ってみるがいない。
結局昼休みが終わってしまい、次の休み時間に聞こうと教室へ戻っていった。



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