薄桜鬼T

□恋に落ちた瞬間
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「雪村千鶴です・・・よろしくお願いします。」


怯えながらもしっかりと前を見据えてそう言う彼女はどこか凛々しくて惹かれた。
そこらへんにいる女の子たちとはどこか違っていて、一目で恋に落ちた。


最初は男と思っていたけど女と分かった瞬間顔に熱を帯びたのが自分でも分かった。

でも千鶴のことを気に入ったのは俺だけでなく・・・新撰組幹部全員だった。
長年一緒にいるだけあり女の好みまで同じとは末恐ろしい。


とりあえず早い者勝ち。
これは確か。


だからいち早く自己紹介した。



「俺、藤堂平助。よろしくな。」
「あ、よろしくお願いします藤堂さん。」


千鶴はふわりと優しく俺に笑いかけてくれた。
それだけでも十分だったんだけど、俺は欲張りだから。


「あのさ・・・さん付けはやめてくれない?名前でいいから。俺ら同い年くらいだしさ。」
「じゃ、じゃあ平助くん?」
「ん、さん付けよりはましかな。」


左之さんたちはさん苗字をさん付けだけど俺は名前で呼んでもらうことに成功した。
このとき初めて皆より若くてよかったと思った。



でも、君を独り占めしたいから。
俺はもっといい男になってやる。



だからそれまで待っててな、千鶴。








End.
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