薄桜鬼T

□呼び名
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「ねぇ・・・思ったんだけど、沖田さんって呼び方やめない?」
「と言いますと?」


突然放たれた言葉に?マークを頭に浮かべる千鶴に沖田は笑った。
その笑顔は何かを企んでいる顔だというのには千鶴は気づかなかった。



「僕達もう夫婦だよね?」
「そ、そうですよ?」


少し照れながらも頷くと、ニコと黒い笑顔を浮かべる沖田がそこにはいた。
その笑顔にやっと気づき千鶴は自然と距離をおこうとするが沖田に腕を捕らえられる。


「なんで逃げるのかなぁ・・・?」
「い、す、すいません・・・!」


沖田の恐ろしい笑顔は背筋も凍るほど。
“泣く子も黙る”ではなく“泣く子は更に泣く”である。



“好きな子ほどいじめたくなる”というのはまさに沖田と千鶴のことである。
小学生の男子みたいな沖田と怯える女子千鶴。
周りから見れば初々しい2人なのだが、実際はそんな生ぬるいものではなかった。


「ほら、僕のことは総司って名前で呼んでよ。」
「え、む、無理です・・・っ。恥ずかしいです・・・。」


即答した千鶴の目の前には、恐ろしいくらい眩しい笑顔の沖田総司・・・様。


「3秒以内に呼ばないともっと恥ずかしいことするよ?」
「それはそれでいいけど」とニコッと笑いながら言う沖田に千鶴が逆らえるはずもなく。
結局は千鶴が負けて沖田の要望を聞くのが日常。


「総司さん・・・。」
「ん、よくできました。」


チュッと触れるだけのキスだけどとろけるほど甘く感じた。
そして輝くような笑顔。今度は愛しいと感じられる。
意地悪な沖田さんも含めて貴方が大好きです、沖田さん。



だから・・・ずっと私を放さないで下さいね・・・?







End.
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