薄桜鬼T

□彼女の好みとは
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「なぁ!千鶴はやっぱり左之さんみたいなのが好みだよなっ?」
「は、え、あ、ええぇ!?」


藤堂の口から出た言葉はあまりにも唐突すぎて混乱する。
いきなりそんなことを聞かれどう返答すればいいものかと。



「なんつーか男前っつーかさ・・・。」
「あ、あぁそういうことですか。」


藤堂が言いたいことはつまり、“男前が好みか”ってことのようです。
千鶴はにこりと笑って藤堂の頭を撫でた。



「原田さんは確かに素敵ですが・・・好みでは・・・。」
「ぶっ・・・左之さんどんまい・・・!」

藤堂が腹がよじれるほど笑っていると奴はやってきた。



「なーにがどんまいだぁ・・・?」
「げっ・・・左之さん!」


思いもしなかった人の登場に藤堂だけでなく千鶴も驚き言葉を失う。
そしてさっき自分が言った言葉を思い出し、あたふたしながら謝る。


「あ、あのすみません・・・!」


その言葉に藤堂はハッとなり、原田のほうを見る。


「お、俺が悪いんだよ!千鶴に変なこと聞いたから・・・。」
「え、ち、違います!私が原田さんに失礼なことを言ったのが悪かったんです・・・。」
「ちょ、お、おいっ。」
「お前が謝る必要はねぇって!」
「で、でも・・・。」


原田は完全にスルーで会話をする藤堂と千鶴。
しかもその会話の内容は互いを庇い合っている・・・原田からすればイチャイチャしてるように感じられるもの。
その2人に痺れを切らした原田はだんと音を立て立ち上がる。



「人前でいちゃいちゃするんじゃねぇ!ちくしょー・・・!」
「あ、原田さん!?」


部屋から出て行く原田の瞳にキラリと光るものがあったことには2人は気づかなかった。


「あの・・・平助くんは平助くんのままでいいと思う。」
「千鶴・・・ありがとう。」








End.
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