薄桜鬼T
□笑顔を永久に焼きつけて
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俺はもう長くないから、
“だから、できるだけ一緒にいよう”
いつからだったか、一さんは突然寝込むようになってしまった。
その症状から一さんはもう長くないんだと悟った。
そのときに一さんはそう言った。
いつもの笑顔を私に向けながら、手を握った。
「一・・・さんっ。」
「・・・泣く・・・な、千鶴。俺は、十分・・・生きた。」
ううん、そんなことない。
一さんはもっと、もっと生きなくちゃいけない。
だって、一さんは今まで辛い壁を乗り越えてきたから、
一さんは幸せになるべき人なの。
「一さんは、今幸せですか・・・?」
「・・・あぁ、幸せだ。」
一さんは弱弱しかったが笑顔だった。
その笑顔に私は胸をしめつけられるようだった。
愛しい、愛しい一さん。
貴方がもうすぐ消えてしまうと言うのなら、
(私は最期の一瞬まで、傍に)
笑顔を永久に焼きつけて
End.