薄桜鬼T

□彼らが戦った理由
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桜散るこの季節、私達はいつも思い出す、幕末を一緒に生き抜いた彼らを。


羅刹になってまで戦った、沖田さんに平助くん。
途中で別の道を歩むことになった原田さん、永倉さん。
最後まで新撰組を引っ張っていった、土方さん。


皆さんとまた会えたらどんなに幸せだろう―・・・




「あぁ・・・千鶴か。」

私が話しかけると、優しい笑顔で斎藤さんは振り向いた。

斎藤さんはずっと、泣いてばかりの私の傍にいてくれた。
今はもう寂しくない・・・そんなことはないけど前より笑顔は増えた。



「皆さん・・・最後まで格好良かったですね。」
「・・・そうだな。最後まで副長達は自分の信じる道を歩いていった。」
「皆さんと出会えた私は幸せものです・・・ね・・・っ。」


ポロッと大粒の涙が私の頬を伝う。
泣かないと決めた日から我慢していた涙は、躊躇いもなく私の目から零れ落ちる。


その涙をすくって斎藤さんは笑って言った。



「泣くな・・・。千鶴を泣かせる為に副長達は戦ったわけではない。」
「斎藤さん・・・。」
「千鶴の笑顔を守りたい。千鶴の傍にずっといたい・・・駄目か?」

優しい瞳で言われ、そんなの駄目なはずがない。
私は首を横に振った。



「駄目じゃないです。」

斎藤さんは私を優しく抱きしめてくれた。



「愛してます・・・一さん。」
「俺もだ・・・千鶴。」

愛しい人と皆さんを一生忘れません。











End.
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