薄桜鬼V
□埋め尽くして
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「千鶴ちゃん。」
沖田が呼べば千鶴は笑顔で振り向き、何ですか?と可愛らしく首を傾げる。
沖田はその仕草がたまらなく好きだった。
小柄な千鶴は沖田と身長差があり、沖田と話すときは自然と見上げる状態になる。
その時の千鶴も物凄く可愛くて、沖田はいつも理性を保つのに必死になっていた。
「千鶴ちゃん、本当に可愛いね。」
「え、ど、どうしたんですか?突然・・・。」
沖田はいつも突然そういうことを簡単に言葉に出すので、千鶴は反応に困る。
真っ赤になって、うまく喋れなくなるのだ。
沖田は、その姿が見たくてわざと言っている。
必ず同じ反応をする千鶴が、可愛くて可愛くて、何度も見たくなるのだ。
もう千鶴中毒と言ってもいいのかもしれない。
沖田は千鶴以外の女には全く興味がなく、千鶴しか求めていない。
「・・・千鶴ちゃん。僕から、絶対に離れないでよ?」
「当たり前です。嫌と言われても離れません。」
にこりと笑って、沖田の手を握る千鶴。
やわらかくて温かくて、千鶴をとても近くに感じることができた。
「千鶴ちゃんの心の中を、僕で埋め尽くして。」
(これからも離れることのないように、)
埋め尽くして
End.