薄桜鬼U

□チョコバナナ風味
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「沖田さん沖田さん!今日は11月11日、ポッキーの日ですよ!」


朝から嬉しそうに沖田に話しかける千鶴は、今日11月11日を前々から楽しみにしていたのだ。

女子は男子より甘いものが大好きで、とくにチョコは特別な存在だ。
ポッキーはそんな女子達に支持されているお菓子の一つであり、今人気急上昇中である。

そんな中、ポッキーの日というものができ、更にポッキー人気は高まっていった。
ポッキーの日である今日11月11日には期間限定ポッキーや一日限定ポッキーが店頭に並べられる。
普段買うことのできないレアなポッキーで、女子達は朝早くから並んだりして苦労していた。


人気なのはやはり、イチゴチョコ味やミルクチョコ味など、チョコと何かをミックスさせたものが挙げられる。
逆に売れていないものというと、メープルシロップ味やわさびチョコ味など、どうして作った、と思わせるようなものたちだ。
わさびチョコは、たまにチャレンジャーが買っていくが、一口食べたら確実に捨てるだろう。


そんな話を千鶴は沖田にしていた。
千鶴の手には、チョコバナナ味のポッキーが握られていて、おいしそうな甘い香りが鼻をくすぐる。
沖田は自分が朝から何も食べていないことを思い出してすぐに、千鶴の手に握られていたポッキーをくわえた。
そして、少し力を入れるとパキンと半分ほど折れた。



「ん、結構おいしいね。甘ったるいけど。」
「あ、ああ・・・っ。さ、最後の1本だったのに・・・。」


千鶴が悲しそうに呟く。
今にも泣きそうな雰囲気に沖田は焦り、泣き止ませようとする。

ふるふると震えながら涙を我慢していたが、ついには涙が零れ落ちる。
一度零れると涙は止まらず、零れ続ける。


まさかたったの1本のポッキーでこんなことになるとは思っておらず沖田も対処の仕方に困る。
珍しく沖田がパニくっている。
中々面白い光景であった。



「(あ・・・。)千鶴ちゃん、こっち向いて?」
「・・・?・・・んっ。」


優しく千鶴の顎を上に持ち上げ唇と唇を重ねた。
最初は優しい優しいキスだったが、だんだんと激しくなっていき千鶴の舌をからめとるように沖田の舌が千鶴の口内に侵入する。
くちゅといやらしい音を立てながら、沖田はキスを続けた。

千鶴は驚きのあまり涙が引っ込んでいた。



(今日のキスはチョコバナナ風味だね)
(お、沖田さん!)







End.
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