MAIN2
□安らぐ場所を、夢に続きを
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風のたより:Letters
「あら、いらっしゃい。
いつものリキュールでいいかしら?」
マキノは店に入ってきた客に笑いかける。
「やぁ済まんね。」
村長はお気に入りのしましま帽子を脱ぎ、カウンターに腰掛ける。
「はぁぁぁ…」
スラップは席につくなり、盛大なため息をついた。
「まぁ、幸せが逃げちゃいますよ。
どうなさったの?」
マキノが心配そうに言う。
だが、コップを拭く手は止めない。
「…ープ、ド…ゴン、エー…ルフィ…。」
「え?」
ぼそりと呟くスラップに、マキノは思わず聞き返す。
「あいつの一族はどうなっとるんかと思っとるんじゃ。
血筋なんて話じゃないわい。
ただでさえ過疎っとる田舎村に汚名を着せおって。」
スラップはリキュールをぐびぐびあおり、まくしたてた。
「まだそんなこと言ってるの。」
マキノはくすくす笑った。