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□ハートのまんなか
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「今日のおやつのケーキだってさ、私たち女にはわざわざハート型に作ってるのよ。
ケーキの真ん中につやっつやの大きなイチゴを乗せてさ。」



「私は素敵で可愛いと思ったわ。
イチゴのケーキがハートのかたちをしているなんて。
彼なりの遊び心というかなんというか。」



「ああそういうの、女の子が好きそうなイメージある。」



「あなたもハートモチーフ好きじゃない。」



「私だってハートは好きよ?
でもそれとこれとは別なの!」



「まぁ分からなくもないけれど…」



ペラペラペラペラ。



気が合う女の子同士がいっしょにいると、口が止まることがない。



俺はやっと美味しい紅茶の着地点を探しだすことに成功し、品のいいサックス色のカップにゆっくりと注いでいく。



琥珀色の液体がなみなみと揺らぎ、ほかほかと湯気をたてている。



ティーセットを盆に乗せ、いつものようにルンルン気分でレディにさしだす。



「アールグレイをどうぞ、レディース。
ケーキが甘めだったから、今日は少し渋めに淹れてみたよ。」



ロビンちゃんは微笑んで礼を言ってくれたが、ナミさんはむすっとして下唇を突き出したままだ。
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