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□that'S the way the cookie crumbles
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真実をつきつけられて女ははっとする。
七武海クロコダイルとしての善行が信頼を生み、世界に顔が知られているはずのニコ・ロビンをかくまっている。
民衆は私の素性を知らない。レインディナーズカジノの支配人があのニコ・ロビンだなんて、きっと思いもよらない。
女はなんとなく下を向いた。
彼に命を助けられた民衆がまだ歓喜を叫んでいる。
忌々しく思えて仕方ない。
「どうせいつかあなたに殺されてしまうのに、なんて不憫な人たち!
自分の国が食い荒らされているのも知らないで。」
「あ?博学なお前でも知らないみてぇだな。」
口端をあげて今度は男が少し笑った。
「あなたは何を分かってるというの。」
くはははは、とついに男が吹き出した。
「世の中そんなもんだ、ってことだ。」
満足したようすで男は砂となって何処かに消えていった。
屋上に残された女は考えた。
そしてすぐに理解した。
「その理屈がとおるなら。」
同時に、なぜ彼がこの世で最強の兵器復活を企てているのか邪推した。
「まだ諦めていないのかしらね。政府に肩入れする七武海となった今でも…」
男なんてそんなものよ。
女はたいそう面白そうに笑った。
「愚鈍な民衆と、今なお夢を見ている男なんて…」
今日もじりじりと焼きつけるような太陽が頭上にある。
雨は降りそうにない。
that'S the way the cookie crumbles:世の中そんなもん