MAIN3

□勇者たちの行進
1ページ/4ページ


:人知れず戦った海軍の話さ













あれほど吹き荒れていた砂ぼこりが嘘のように雨に流され、視界はすっきりと明るい。



麦わらの一味は先に宮殿へと戻った王女を追い、疲れた体を引きずっていた。



「おいゾロくん!
足を持って引きずるのは痛い!」



「うるせぇな、じゃあ自分で歩け。」



ぞろぞろと宮殿への道を行く一味の最後尾で、ゾロとウソップは相変わらずのやりとりをする。



チョッパーはそんな二人をかいがいしくなだめる。



「足の傷が雨にしみるわ。」



騒がしい最後尾を無視して、ナミは独り言をつぶやく。



血まみれのサンダルがなんとも痛々しい。



倒れたルフィを背負って歩くサンジは、心配そうにナミの顔をのぞきこむ。



「大丈夫かい?
俺は本当はこんな猿より君を背負ってあげたいんだけど。」



「平気よ。
宮殿にさえ着けば、後はビビに傷の手当て頼むだけだし。
サンジ君こそ大丈夫なの?」



「そんなに俺の心配を…」



やたらとテンションの上がった金髪をまた無視して、ナミはため息をついた。



「なんか拍子抜けしちゃうわ、英雄気分を味わいたかったのに。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ