G*R Dream
□存在世界論
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存在世界論
「君は世界を信じますか?」
「なーにそれ?」
彼女が六道骸にとって、大切な<カケガエノナイ>存在となりかけていたころのこと
晦冥の既往<カコ>と慣れない幸福<シアワセ>に、彼は惑乱<ジレンマ>に陥って
愁苦の想いが心臓を押し潰す
存在するものの意味や役割とは何か
世界の本性や本質とは
どこから始まり、どこへ行くのか
人間とは何か
この世の仕組みや法則とは何か
人間の歴史は何を意味するのか
現実とは、一体何なのか
「哲学的世界観の問い…かな?」
「ええ。よくご存知ですね」
「ふふ、それなりに知ってないとこんな風には生きて行けないからね」
彼は晦冥<ヤミ>
彼女は光明<ヒカリ>
対蹠<タイキョク>に位置
繋がらない間隙<セカイ>
「今という、この時は本当に存在しているのか…」
「…」
日のあたる場所に咲く花は雅びやかに
けれど、日陰に根付く薄暗い緑の気持ちも、その花は理解している
決して一つだけを見ない
「もし…この瞬間さえ偽りであるのなら…僕は…」
真実<ホントウ>は
これは幻影<マボロシ>で
全てが虚無の<ナイ>ものだったら?