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□それは自ら望んだ事
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薫流から聞いた
「亜紋が死んだ」
たった一言
それだけを…
どうして…?
どうして亜紋が死ぬの?
ねぇ、何で…?
約束したじゃない…
一緒に居る事は出来ないけど、
でも、だけど
ずっとずっと、
側に居るって
約束、したじゃない…
後になって、亜紋が士度に鬼魔羅を返したのだと知った
最期に、亜紋は笑って言ったという
『なぁ相方、
ラッキーだとは思えへん?
一人の命を使えば、
二人の命が助かるんやで
』
涙が零れた
今まで溜まっていたものが
全て
雫となって
零れた
亜紋、笑ってたんだね…
亜紋は、後悔なんてしていないと思う
それで良かったんだよね?亜紋…
貴方の笑顔の為なら、
私は、
どんな苦しみや、悲しみだって、乗り越えられる
だって私は
何時も笑っている
貴方の事が、
大好きだから…
お休みなさい
でも亜紋、
約束はちゃんと守ってよね?
ずっと、ずっと…
何時か、私が貴方の側に行くその日まで…
END