ガンダムSEED部屋
□依存症
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長い廊下を颯爽と歩いていく人物がいる。
アスラン・ザラ。
ヤキン・ドゥーエにおける戦いの英雄であり、その後起こったプラントと連合の争いにも自らMSを駆り、戦争の終結に尽力した。
その英雄は、書類の束を眺めながらたどり着いたドアの前で立ち止まると、乱暴にノックした。
だが、返事を待つつもりはまるでないらしく、そのままドアを開くとアスランは部屋の中に歩み入った。
「アスラン!」
呼び掛けたのは、一番の大親友、アスランとは対象的な、何処か儚げで優しい風貌の彼。
アスランは眉間に深い皺を寄せる。
「アスラン?すごく怖い顔してるよ。」
アスランは柔らかな笑みを浮かべるキラをギュっと睨みつける。
「おい‥、何なんだその様は。」
目の前のキラは広い部屋の中にある大きな机の前にあるこれまた大きな椅子に腰かけている。
そして彼の膝の上には、オーブ代表の次期後継者であり、プラントと連合の争いにフリーダムと共に戦い、終付止を打った元部下の姿。
「こいつは一体自分がいくつのガキのつもりなんだ‥?」
シンはキラに向かい合う形で膝の上に跨り、キラの胸に頭を沈めて堅く抱きついている。
キラはアスランにしーっと人さし指を立てて、寝てるから、と小声で言う。
アスランは額に手を当てて、立ちくらみに耐える。
毎度毎度、こんな光景を見せられては堪ったものじゃない‥。