ガンダムSEED部屋
□Like a shooting star
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ラクスは歌っていた。
祈るように、絶望を振り払うように。
ラクスは武器を持たない
彼女は持ち前の笑顔と、優しい声で戦うのだ。
「私とキラは違う‥。」
彼女の手が血で汚れる事はない。
知っているのだ
自分を守るために倒れていった人々の事も
自分を殺そうとして散っていった人達の事も。
ラクスは血塗られた障壁に守られながら戦ってきた。
それは重い痛み。
彼女は決して涙を見せずにただ輝いていなければならない。
平和を願う人々の“希望”として。
だがそれでもラクスは知っていた。
自分とキラの心はとても近くにあるのだ、と。
だから今歌うのだ。
彼が傷を負いながら戦っている時に。
「私達は負けませんわ‥キラ。」
未だ夜明けを見ない世界でラクスは一人つぶやいた。
(fin…)
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