スレイヤーズ 書庫

□Somewhere
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「それでリナさんは今おいくつですか?」

「じゅうななさい。」


沈黙が重くのしかかる。


床に届かない足を拗ねたようにブラブラさせているリナ。
向かいで珍しく困り顔のゼロスが考え込んでいる。おっさんという言葉も心なしか響いているようだ。

下を見ているフリをしてこっそり彼の顔を伺うと、目が合いそうになって慌てて視線を逸らす。

ゼロスの様子は人間で言えば30代半ば、といった所か。
リナの基準からすれば立派におっさんである。

‥でも何て言うか。

もともと中性的だった顔立ちが硬くなり眼光の鋭さが増した。声は少し低くなったんじゃないだろうか?
おじさまフェチとしては悔しいが及第点である。

まるで

「‥すっごいいい女と付き合ってたみたい。」

「そうですよ。」

思わず口から出た言葉に考えを見透かしたように彼が答える。

「記憶喪失、ですかね。
僕はもうずっと貴方と一緒にいるんですよ。」


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