スレイヤーズ 書庫
□feel well
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近くの地面に崩れ落ちるゼロスの存在を視覚以外の何かであたしは視た。
なんだ‥
あんたが、人間の体を保てるぐらいなら‥大したダメージじゃ、なかったみたいね。
「いいえ。」
声にならない心の声を聴いてゼロスは答える。
「もうずっとこの姿をとっていたもので、このまま‥終わるのも悪くないかと思ったんですよ。」
そう‥
いいんじゃない、一足先に金色の魔王の顔を拝んでやるってのも。
「不思議ですね。
本当に悪くない気分ですよ。
貴方が死んで、僕も滅び去る。
その後のことはどうだっていいみたいです。」
隣でゼロスが笑っているような気がした。
夜が明ける気配と共に太陽とは違う、真っ白な光が意識を覆っていった。
あたしは‥何を守ろうとしたんだろう。
どうしてそいつのことを死ぬ程守りたかったんだろう。
きっとあんたが大馬鹿もので‥あたしが落とし前つけないと馬鹿やっちゃうから‥ね。
だからさ
そんな泣きそうな顔で見ないでよ。
誰だか知んないけどあたしまでなんだか悲しくなっちゃうじゃない。
ほら、笑ってあげるから。ね‥?
(fin…)