スレイヤーズ 書庫

□feel well
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「ゼラス・ブリットぉ!」

ゼロスに向かって襲いかかる力を防がずに受け流すと

「やれやれ‥リナさんお得意の嫌がらせですか?
少しは僕が見たことのない手も見せて欲しいものですね。」


あたしは続けざまに術を放っては彼との距離を縮めようと試みる。
しかしその狙いを読んでいる彼は呪文の途切れた所を狙って小刻みな、それでいて効果的な攻撃を加えてくる。



「さて。
満身創痍といったご様子ですがもうおしまいですか?
貴方なら何か手を考えてくると思っていたんですがねぇ」

残念そうですらあるゼロスにはかすり傷ひとつ付いてはいない。
一方のあたしは言いたくはないがぼろぼろ‥に見えなくもなかった。
手も足も痛みをこらえながら辛うじて動かすことが出来た。


「黄昏よりも昏きもの‥」

タリスマンが呼び掛けに呼応して紅い輝きを放つ。

「血の流れより紅きもの、時の流れに埋もれし偉大なる汝の名において」

そして手にもった短剣に力を収束させていく。

「ルビーアイ様の呪文ですか。ヴァルガーヴさんの時と同じ手ですね。
これは迂闊には近づけない‥」

「なんて言うと思いましたか?」


次の瞬間

空間を渡ったゼロスの腕はあたしの胸を貫いていた。

手から落ちた短剣が地面に虚しい音を立てて転がる。

「貴方相手に油断は禁物です。
僕ほどそれが分かっている魔族も居ないでしょう。」


震えるように痙攣していた腕をゼロスの背中に回す。


「‥リナさん?」


回した腕に力を込めると、あたしはカオス・ワーズを完成させる。
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