スレイヤーズ 書庫
□tear
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「もはや意志も力も持たぬ幻よ、今こそ無に帰すがいい!」
鋭い杖の先を振り下ろすと、氷は一瞬で粉々の粒子となり宙に舞った。
会いに行こうと思えばいつでも会えた。
ただあの時の涙に特別な意味があると感じた感覚を打ち消されたくなかった。
会わずにいればいつまでも期待し続けていることが出来た。
いつか彼女の元を訪ねよう。
あの笑顔を真近で見つめよう。
そんな風に考えるだけで何もしはしなかった。
本当は貴方の側には彼が居るのを知っていたから。
何もかも無かったことになるぐらいなら
ただこの想いを抱いていたかったんです。
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