ゴミ詩T

□ピエロの舞踏会
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【ピエロの舞踏会】



強い人でありたかった
どんな誹謗や中傷も知らん顔出来る
そんな、感情を忘れた人形のようでもいいから
強く強くありたかった

それでも私は弱くて
人形の私に想い馳せながら
傷付かないようにって渡した"強がりナイフ"
気が付けばリストカット

生々しい血が溢れる自傷痕
そこに流し込まれた貴方の感傷
吐気がする

「お願い、見ないで」
オーダーメイドの絶望
傷口を隠すために着飾ったのは、何故か純白のドレスだった

でも滲んだ血が模様に見えて
これでもいいか、なんて思った時
痛みすら自分の物に出来た強さを見付けた

それなのに
無理矢理閉じ込めた貴方の感傷が身体を蝕む
いつの間にか虫食いドレス
それをデザインと受け入れる度量はなくて

強い人でありたかった
貴方に見てもらえるように

でも違うんだ
ナイフは自傷のためじゃない
絶望を着飾りたかったんじゃない
血を模様に見立てる"臆病"が欲しいんじゃない

握るのは護身用とは思えない鋭い刃
幸せは誂えてくれない
血の模様を嫌悪出来る勇気がない

我身を傷付け、純白ドレスを着飾り、赤い模様を愛でる
舞踏会の仮面は逆様笑顔のピエロ

折れそうなヒールで弱さを踏みしだく私を
貴方は叱ってくれますか?




 

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