ゴミ詩T

□ツヅキ
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【ツヅキ】



別に恋人同士じゃないけど
ずっと前から恋してた

毎日日記を付けているの
貴方と過ごす日々
最後は必ず"I love…"で終わってしまう
その後を続ける勇気がなくて

知っているの
私はもうそろそろ消える
貴方と過ごせる時間もあと少し
なのにまだ"I love…"の続きが書けない

私の日記はある日を境に途切れた
それは私に終わりが近いってこと

病院の個室で外を眺めるしか出来なくて
日記の場所は私しか知らない
だから持ってきてなんて誰にも頼めない
でも…
最後に続きが書きたかった

きっともう書けない
"I love…"が私の日記の終わり
続きはどうか貴方が書いて

私の体は弱ってく
お見舞いに来てくれる貴方に上手な笑顔を作れない
心もどんどん弱ってく
出来るなら貴方に縋って泣いてしまいたい程に

終わりが近付いたある日
私はどうしても日記を手にしたくなった
だから貴方に日記の場所を教えたの
もう書く力なんてないけど…

私に日記を手渡し…貴方はゆっくり部屋を後にした
その後ろ姿は酷く重かった

そして迎えた人生最後の日
苦しみの中 震える手で日記を開いた
どのページも"I love…"で終わっている
それを見てたら何だか涙なんか出てきて…

最後のページ…それを見た私の涙は別のものに変わる
いつも通りに終わった"I love…"
その下に綴られてた…確かな貴方の筆跡で

"me to"

全部知っていたのね
私の気持ち 日記の続き
あの日の後ろ姿…
重さの意味は…

嬉しくって悲しくって
薄れてゆく意識…涙が止まらない
貴方が返してくれた文字が胸を締める

"I love you"
最期に呟いた言葉は貴方へ届いたかな?




 

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