ゴミ詩T
□暴走BIKER(willie version)
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【暴走BIKER(willie version)】
アイツを乗せて全力疾走してきた
「景色がいいとこ連れてって」
その言葉で何度バイクを飛ばしたか
なぁどうだ?天国(そこ)は景色いいかい?
アイツを想い全力疾走してきた
「あのね、私もうすぐ死んじゃうの」
大事なネジが一本外れた
全力疾走してきたバイク
止めることなんて出来るわきゃなかった
ブレーキなんかとっくに壊れちまった
止まることが出来なくなったオンボロバイク
アイツに追い付こうなんざ思っちゃいねーけど
前輪上げて少しでも存在アピールすりゃ あそこからでも気付いてくれっかもしんねーから
多少不格好でも構やしねぇ
アイツに気付いてもらえんなら必死になってウィリーキメるさ
上手くバランスなんてとってる余裕はねぇ
前輪上げたまま狂ったように走るバイクは高速を抜け ガードレールぶち破ってまだ走る
ああ、きっと後ろ走ってる奴等は笑ってんだろうなぁ
なんてくだんねーこと考えながら
このまま壁にでも突っ込みゃアイツんとこ行けっかな?
そしたらアイツをまた後ろに乗っけて…
「私、海が見たい」
ふと思い立ち 俺はハンドルきった
そうだ、アイツが好きだった海へ「行」こう