ゴミ詩T

□おやすみ 私の…
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【おやすみ 私の…】



小さな 小さな 一つの命…
あまりにも残酷に あまりにも理不尽に
あの子の灯は イタズラな風に吹き消されてしまった

守れなかった…護れなかった…
私の命…
小さなその手を放さずにいたのに…願ったのに…
私は無力を思い知り あの子は安らぎを知ったでしょう …幸福を知らないまま

小さすぎたあの子…消えゆく瞬間が忘れられない
私の目の前で…あんなに笑顔のまま…最期まで…笑って…
「お母さん…」
呟いて…

ごめんね…守ってやれなくて
私は悪いお母さんだったわね
大切で 大切で 大切で 大切すぎた私の命…
ゆっくり眠りなさい…子守歌をいつものように歌ってあげる…
今は鎮魂歌だけれど…今日も眠れるかしら?

あの子を追って 気が付いたら身体が水に沈んでた
このままずっと沈んでいたかったけれど…それじゃあの子が泣いちゃうから…
波音だけが哀しく響く…

小さな命は奪われて…私の魂は昇れなくて…
還ってゆくあの子を送り出し…私はここに居るしかない
いつまでも…あの子の笑顔が消えないように 私はここに居るしかない

ほら… お母さんはここに居るよ
安心して眠りなさい…




 

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