ゴミ詩T

□悲曲(エレジー)
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【悲曲】



いつも待ち合わせに遅れてごめんね…
君は何も言わずに笑ってくれてたけど…
こんな最期まで…間に合わなくてごめん…

白い布を頭から被った君が 僕には天使に見えた
あまりに真っ白だったから…
このまま僕も連れていってほしくなった
君の世界へ

目の前にあるこの身体に もう君は入っていないんだね…
そう思うと 頭の中に優しく思い出が流れてきた
笑顔が多くて たまに泣いて
そしていつも 何かの曲を口ずさんでいたね
「何の歌?」「…教えない…」
何故か恥ずかしそうに…

気が付くと その曲が口をついて出てきていた
もう動かない君の前で
すごく悲しい旋律…きっと君の作曲だったんだろうね
最期まで名前は教えてくれなかったけど

今の僕にはよく似合う…最期の最後まで遅刻してしまった僕に
きっと君は待ってた ずっと待ってた
苦しみの中…きっと待ってた…
間に合わなくてごめん…こんな最期まで

曲が口から溢れて止まらない…涙と一緒に
いつも君が歌ってた曲…歌詞はないけど…すごく悲しい曲…
ねぇ聞こえる?




 

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