ゴミ詩T

□花
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【花】



最近 君は僕を見て悲しい目をする
どうして?
太陽みたいだった君が 何故か今は雲に隠れてる
だけど
「どうしたの?」と聞いて 「なんでもないよ」と無理矢理笑顔をつくる君がいて
その笑顔を見るといつも何も言えなくなる自分がいて
結局そのまま時が過ぎて…

ある日君は来なかった…僕との待ち合わせに
「僕のこと嫌いになったのかな?」とか
「他に好きな人がいるのかな?」とか
不安で泣きそうになる気持ちを押し殺し 君の家へと向かう

鍵が掛かっていなかった玄関を開けて中に入ると 君は力なく笑った
「なんでもないよ」…なんでもないわけないのに…
静かに眠る君を優しく抱き締め 外から聞こえてきた雨音に耳を傾ける
そしてそっとキスをした…少しだけ冷たいクチビルに…

君が笑った時、同時に花瓶の花が落ちていた
開いた窓からズブ濡れの鳥が入ってきて 落ちた花を咥え 再び雨の中に消えていった
冷えている君の手を握り 僕はぼやけた視界でその鳥を見送った…





 

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