その他

□神すら届かぬ
4ページ/5ページ

何も考えることが出来ない古泉を俺は海へと連れ出す。
あの日、一樹は壊れてしまった。
一言、彼女とお幸せに、と残して。
俺は、古泉の遺言も、朝比奈さん(大)と長門の忠告も全て聞かず、ハルヒではなく一樹を選んだ。あれ以来、一樹の目は虚ろなままだ。
この中に、もうハルヒのために生きた古泉はいない。
いるのは俺を必要としてくれる一樹だけ。
そう思うと俺は笑いが込み上げてくる。ああ、もしかしたら俺もあの日、壊れたのかもしれない。
それでもいい。今、俺は一樹といれて幸せなのだから。

砂浜から一歩も動き出さない一樹を、俺は振り返り誘い出す。

「ほら、一緒にいこうぜ」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ