text01
□手を伸ばしても
1ページ/5ページ
欲しくて欲しくて仕方ないモンてのは、どんだけ手を伸ばしても届かない。
そう頭で分かってたって、馬鹿みたいに手を伸ばしてた。
いつか届くと信じてさ………。
「キスして?」
子供をあやす様な、頬に触れるだけのキス。
「ちがう、ちゃんと…して?」
熱が頭を揺らす。
「でも……」
「はやく……」
だだっ子みたいに手を伸ばして、躊躇う彼の唇をせがむ。
「……もっとぉ」
触れるダケじゃ嫌だ。
「…っふぁ……足りない…。」
もう一度唇が触れれば、自ら舌を絡めて貪る。息なんて出来なくなっても良い。
離しちゃ……嫌だ。
.