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□煙草
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彼が留守の間、寂しくて。
彼を傍に感じたくて。









テーブルに置かれた煙草に
火を付けて煙を吸い込んだ。











口に広がる苦い味。
彼がいつも纏う香りが広がる。









思いの外キツい煙草だった様で、
頭がクラクラと揺れた。
手に持つ紫煙を見つめる。
チラチラと覗く赤い熱はゆっくりと
確実に葉を燃やし尽くそうとしていた。










こんな風に俺もアノ人の中で
ゆっくり根付いて熱を与え続けられたら…
…なんて…。








もう一度煙草を口にくわえる。
ゆっくりと口に含んで、
さっきよりも強く吸い込み、
ゆっくりと吐き出す。





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