子猫物語
□出会い
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最初はやわらかい光と心地よい暖かさに包まれていた。
たくさんのきょうだいとだいすきなおかーさん。
ねむりからさめて、おっぱいをおなかいっぱいのむ。
おなかいっぱいになって、またねむる。
ときどき、きょうだいとけんかするけど、そのたびのおかーさんがやさしくしかる。
ただただ、やさしいだけの日々。
それがずっと続くと思っていた。
だからいつのもの様に安心して眠りについたのに・・・
次に気がついたときは真っ暗だった。
“よる”ってやつかな??
いつもと違う“よる”
とても寒い。
いつもそばにいるおかーさんのぬくもりを探すがみつからない。
とても寒くて、そばにあった小さなぬくもりに顔を寄せてみる。
徐々に冷たくなっていくぬくもりにおかーさんを思いながら、再び眠りについた。
“あさ”がきて、鈍い光に目を覚ます。
周りには冷たく、硬くなった兄弟たち。
上から堕ちてくる水と、氷のような寒さに身を振るわせる。
思うように動かない体をそれでも必死に動かして
最後の力を振り絞って、恋しいおかーさんを呼ぶ。
声は空しく、空に消えていった。
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